僕の名前は相馬一也。ごく平凡な家庭に生まれた、ごく平凡な男の子だ。
家族も公務員の父、会社勤めの母、中学二年生の妹と、普通のどこにでもいる一般家族である。
しかし、僕は、この『普通』が嫌でしょうがなかった。
両親が共働きのため、収入は普通だし、僕の通っている高校はごく一般的な公立高校だ。そんな高校で、僕がワクワクするような事件が起こるはずもなく、僕はこの代わり映えのしない生活を余儀なくされている。僕の机の引き出しから、猫型ロボットが飛び出してきたり、目の前に宇宙人や未来人や超能力者が現れたりしないだろうか、僕はいつも考えている。だがやはり、考えはいつも、一言で終決してしまう。
『そんなこと起こりっこない。』
第2章
「話しをまとめると、おまえは家で寝ていて、起きたらこの机の上にいたんだな?」
あれから、いろいろと説得し、聞き出せるだけの情報を聞き出した。聞いたところによると、このガキの名前はエルダというらしい。この時点で、日本人でないことが判明してしまった。エルダて。そして、問題のエルドランド発言。真相を聞いてみた。
「なぁ、おまえ、エルドランドがどうとか言ってたけど、」
「おまえじゃない。エルダだ。」
「分かった分かった。エルダ、エルドランドって、一体なんなんだ?そんな国、実在しないんだが。」
僕は、普通の高校生だが、並以上の学力は持っているつもりだ。常識的に、エルドランドなんて国が実在しないことぐらい分かる。
「そんなはずはない。俺に言わせれば、ニホンだったか?そんな国は存在しないんだが。」
何言ってんだ。現に日本にいるじゃないか。こいつは、何か証拠でも見せないと信じそうにないな。そこで僕は地図を持ち出した。学校で昔使っていたものだ。「ほら、ここが日本な。それに、エルドランドなんて国はないだろ?」
細かく探してみたが、やはりあるはずがない。念のために、インターネットを使って探してみてもなかった。
「おいおい、これは違うだろ。これだろ。」
と言うと、何やら口走った。呪文のようにも聞こえた。すると、目の前に何やら地図らしきものが現れた。おいおい、なんだこれは。おかしいだろ。まるで、魔法じゃないか。ってか、なんで僕はこんなツッコミが入れることができるぐらいに冷静なんだ。自分でも驚いているぐらいだ。
何だこれ、おかしいだろ。
「何がおかしいんだ。ちゃんとした地図じゃないか。」
いやいや、そこじゃなくて。なんか呪文みたいなやつを呟いたかと思うと、目の前に変な地図を出すし。
「変ってなんだよ。ただ地図を出しただけじゃないか。もしかして、この極地にはこの魔法はないのか?地図召喚すらないとか、どんな土地だよ。」
いや、普通魔法なんてあるはずないだろ。それに、ここは極地じゃなくて、日本だ。
「だから、日本なんてないよだよ。ほら、これを見てみろよ。」
魔法で召喚された地図には、世界地図には似ても似つかない、おかしな地図だった。地球にはこんな大陸はない。
「ないはずはないだろ。」
エルダが軽く涙目になってきた。流石に可哀相になってきた。しかし、無いものは無いのだ。しかたない。
「もしかしたら、おまえの世界とこの世界は違うんじゃないか?」
僕は、そう思い始めていた。日本を知らない。エルドランド。そして魔法。そう考えれば全て納得できる。いや、納得はできないが。この世で魔法など存在してはいない。あるはずがない。もしかすると、中国の山奥に、長年住んでいる仙人は使えるかもしれないが、こんな幼い子供に使えるものか。いや、使えてなるものか。
催促があったので書いてみた(ぁぁ
見てみると、メチャクチャだな(ぁ